フリーランスとして活動するために必要なこと
事前の準備と実際になるためにやるべきこととは。
あなたもおそらく「独立したいけど、どうすれば良いだろう?」と悩んでいることでしょう。
この記事では、あなたが独立開業するために必要なことと、その準備について解説します。
この記事を読めば、何をすべきかがわかるでしょう。
フリーランスになるため、特に手続きは必要ありません。
基本的に、特別な手続きは必要ないのです。極端に言えば。
あなたはすでに「フリーランスです」(フリーランスとして働いています)と名乗っていても、OKなのです。
現実的にあなたが、自分のスキルを活かせる仕事を見つけたら、それでフリーランスとしての第一歩を踏み出したことになります。
専門的な資格や経験が必要な職業もありますが、資格がなくても始められます。(ライターやブロガーについては後述します。)
税務署への届出などはしなくても良いのですが、売上が発生すれば確定申告が必要です。これについても後述します。
フリーランスになるまでの道のり
では、フリーランスとしての仕事はどのような流れになるのでしょうか。ここでは、大まかな必要事項について説明します。
退職
現在、会社に勤めているならば、おそらく辞めなければならないでしょう。
上司や人事の担当者と相談しながら、退社時期を決め、業務の引き継ぎ、保険証の返却などをします。
勤務先によって手続きやフローが違うので、自分で情報を収集しましょう。
自営業になることを焦り手続きを怠れば、後任者に迷惑がかかるかもしれません。自営業になっても現地の企業とのやり取りが発生する可能性があります。
最後の瞬間まですべての手続きを完璧に済ませておきましょう。
国民健康保険、国民年金への加入
会社を辞めると、それまで享受していた社会保障制度や企業年金制度が適用されなくなります。
こうした場合、国民健康保険、国民年金の加入手続きをお住いの自治体で14日以内に行わなければなりません。加入しなければ、追加の保険料や年金の支払いが発生するおそれがあります。
他にも、節税対策として使える保険や年金についての記事もありますのであわせてご覧ください。
開業届を提出する
先ほどは、フリーランスになるために特別な手続きは必要ないと説明しました。
しかしながら、税務署に「開業届」を提出することで、「個人事業主」として活動することができます。
フリーランスとして働いても、個人事業主として働いても、それほど大きな差はありません。大きな違いは、個人事業主は正式な「会社名」や「屋号」で名乗れることです。
ブランドネームは、企業などとの取引で信頼を得やすいです。
「青色申告承認申請書」を提出する
開業申請と同時に「青色申告承認申請書」を一緒に提出することをお勧めします。
もし開業を1月1日から15日の間に行った場合、申告書の提出期限は同年の3月15日です。
開業を、1月16日以降に行った場合は、申告承認申請の提出期限は、開業した日から2ヶ月間となります。
フリーランスとして働く場合、年間の事業利益が38万円以上であれば、年末(2月中旬~3月中旬)に確定申告をする必要があります。確定申告は、年間利益を計算し、支払うべき所得税・住民税を税務署に申告するものです。
所定金額以上の利益があるのに、申告をしない場合、税務調査を受けることがあります。
確定申告には2つのタイプがあります。白色申告と青色申告です。
白色申告は簡易簿記で記録でき、書類作成が容易です。青色申告は複式簿記であり、書類作成に手間はかかりますが、白色申告より多くの特典が受けられます。
青色申告のメリットについても解説しています。
青色申告4つのメリット
青色申告の主なメリットは、以下の4つの制度です。
【青色申告特別控除】
最大65万円まで税額控除が可能です。
【繰越欠損金】
純損失(赤字)は、今後3年間で繰り返し発生する可能性があります。
赤字になった年の損失は、税法上、翌年以降に繰り越し可能になります。
【青色事業専従者給与】
この制度では、家族の給与を経費として申告することが可能になりました。これも節税対策の一つです。
なお、青色専従者に給与を支払っている場合や、白色専従者控除(白色申告者の場合、専従者の給与は確定申告時に86万円まで控除される)を受けている場合は、配偶者控除や扶養控除の対象にはなりません。
【少額減価償却資産の特例】
10万円以上のもの、または耐用年数が1年以上のものは固定資産となり、減価償却が必要です。
しかし、青色申告ならば、30万円未満のものは当年度の費用として処理することができます(300万円を上限とします)。
高収益が見込まれる年には、この制度を利用して節税が可能です。
フリーランスになるために必要なものは
これで、ひととおりフリーランスになるための大まかな流れはご理解いただけたことでしょう。
しかし、これだけでは十分ではありません。準備もなまま、いきなりフリーランスになっても、働き始めてから大変なことになるかもしれません。
ここでは、フリーランスになる前に準備しておくべきことをご紹介します。
仕事をするために必要なパソコンなどのツール
どのような作業を独りで行うかにもよりますが、仕事をするための道具を揃えておくに越したことはありません。いつ仕事が舞い込んでくるかわからないため、機動的に対応できるようにしておいたほうがいいでしょう。
なによりも、パソコンに明るくなっておいたほうが良いです。
近年、仕事やクライアントとのコミュニケーションは、インターネットを介して行われています。どのような仕事であれ、パソコンは欠かせないツールです。
SNS・Webサイト
ネットで仕事を探せることはすでに述べました。さらに言えば、お客さまにサービスコンテンツを紹介するための準備も必要です。
また、ビジネス用のSNSアカウントやウェブサイト、ブログを開設することもお勧めします。
そこでサービスコンテンツや成果、実績を公開すれば、お客さまはあなたに仕事を頼みやすくなるでしょう。受注する際にあたってもとても参考になります。
必ずというわけではありませんが、オンラインでの世界で仕事を見つけるためには、積極的に行動するスタンスが望まれます。
名刺
ビジネスパートナーからの信頼を受けるには、名刺を持つことは重要です。
オンライン名刺がSNSやWebサイトならば、名刺は現実では想像上のものです。
例えば、交流会などでは、参加条件として名刺を持参するよう求められることがあります。ビジネスでの交流では、名刺を持っていて損はないと覚えておくとよいでしょう。
ドキュメントのテンプレート
業務に必要な書類のテンプレートがあれば、準備の手間を省くことができます。
フリーランスとして働いている方は、定期的にクライアントに請求書を発行していることと思います。テンプレートがあれば、請求書の日付と金額を変更するだけで、何度でも利用できます。
会計ソフト
もし、1年の取引をすべて手作業で記入していたら、確定申告のとても時間がかかってしまいます。
そんな時に会計ソフトは力強い味方です。簡単に使えて、確定申告に必要な書類を作成することができます。
最近は「freee」などが人気です。
その他事務用品
さらには、必要な事務用品も用意しておくとよいでしょう。
- レシートをまとめておけるフォルダー
- 名刺用ファイル
- ハサミ、ホッチキス、のりなどの文房具
会社員ならではの利点もある
商売道具を準備するほか、起業する前にできれば、会社員としてに在籍している間にやっておくとよいことがあります。
ここで紹介する申し込みや契約は、社会的信頼が高いということが要求されます。つまり、フリーランスの方は、審査に通りにくい場合があるということです。そのため、会社に所属し、会社名を使用できる状態で行動することが望ましいのです。
クレジットカードの作成
まずは、クレジットカードの作成です。フリーランスとして働いていると、クレジットカードで支払った方が便利な場面もあります。
クレジットカードでなら、支払いの履歴が通帳に残り、税金対策として領収書を保管する手間が省けます。また、クレジットカードと会計ソフトや家計簿アプリを連携させ、支払い内容を即座に記録できるサービスもあります。
このようなアドバンテージがあるので、会社員としてクレジットカードを申し込んでみてはいかがでしょうか。
不動産契約
住宅の購入や賃貸には、社会的借款が必要な場合が多く、このような不動産契約などは、会社での雇用期間中にも結ばれるべきものです。
在宅勤務が可能であれば、その必要はないかもしれませんが、オフィスを借りる場合は、なるべく早く手続きをすることが望ましいでしょう。
貸付金および借入金
クレジットカードや不動産と同様、ローンやクレジットの手続きは、会社員であればよりスムーズです。
特に銀行からお金を借りる場合は、審査が厳しくなります。
フリーランスに多い職業
フリーランスとして働く人が多い職業は以下の通りです。
どのような活動をするかまだ決めていない方は、こちらをお読みください。
システムエンジニア・プログラマー
プログラミング言語を使って、システム開発などを行う職業です。パソコンとインターネット環境さえあれば、開発業務を行うことができるからだ。
多くはフリーランスとして働いています。
システム開発作業は、大きく4つの工程に分かれています。
- 要件定義(どのようなシステムを構築すべきかをお客様と一緒に考える)
- 設計書(システムの設計書の作成)
- コーディング(プログラミング言語による開発)
- テスト(システムを開発し、エラーがないかを確認すること)。
システムエンジニアは主に上2つ(上流工程)、プログラマーは下2つ(下流工程)を担当します。しかしながら、区分はこの通りとは限りません。
行うことになる業務は、依頼者となる会社によって異なります。
WEBデザイナー
この役割は、求められるWebサイトをデザインします。
IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使ってデザインする能力、HTM/CSSやJavaScriptなどを使ったプログラミングの知識が必要です。
近年、企業や個人がそれぞれのWebサイトを持つことが一般的になってきました。
そのため、Webデザインのニーズが高まり、未経験でもそれなりに美しいWebサイトを作成できる無料テンプレートも増えています。フリーランスのWebデザイナーとして生計を立てるのは、少し難しくなったと言えます。
ライター
「ライター」とは「文章を書く人」のことで、書く方法、何に書くかによって呼称が変わります。
どのようなことか。
- Webライター(Webサイトに記事を書く人)
- コピーライター(広告用キーワードの作成など)
- 雑誌編集者(雑誌に記事を書く編集者。一般にライターといえばこちら)
詳細は、以下のとおりです。
雑誌に記事を載せる作家は、有名な作家や実績のある作家の場合が多く、いきなりフリーランスの仕事を得ることは難しいでしょう。
一番簡単な方法は、Webライターになることです。後述しますが「クラウドソーシングサイト」でも、Webライターの募集が多くあります。
中には単価が数十円のものもありますが、書くべき内容は誰でも書けるようなものでしょう。経歴に関係なく働くことができるので、Webライターとして働くのもいいと思います。
仕事をするのであれば、もちろんクライアントと報酬について話し合うことも可能です。
ブロガー/アフィリエイター
ウェブライターと似ている職業にブロガーアフィリエイターがあります。
ブロガーもアフィリエイトライターも、ウェブサイト(ブログ)で記事を公開しています。Webライターと異なるのは、ブログなどに掲載されるアフィリエイト広告が収入源となる点です。
Webライターは通常、「1文字=○円」という固定単価で、その文字数に応じてクライアントから報酬が支払われます。
ブロガーやアフィリエイターは、ウェブサイトに広告を掲載し、その広告を経由して商品が購入されたりすると紹介料を受け取ることで収入を増やしています。記事を書いたからといって、それで収益を得られるわけではありません(例外もあります)。
日記作家と同じように、ブロガーは自分の生活に関する記事を書き、気に入って使っている商品を紹介して、収入を得るのが一般的です。一方、アフィリエイターは、販売目的で記事を書き、紹介する商品を売ることを目的に書かれていることが多いです。
ブロガーやアフィリエイターは、通常クライアントを持たず、代理店であるASPを通じて広告を出稿することが多いです。
YouTuber、動画投稿者
近年、動画マーケットは成長中です。世界最大の動画サイト「YouTube」で動画を配信して生計を立てている人たちがいます。彼らは「YouTuber」と呼ばれ、若者を中心に大きな影響を与えています。
動画配信会社の収入源は、掲載された広告および動画に掲載された製品の顧客からの手数料などです。有名なYouTuberは、テレビや雑誌にも出演していますが、その際にも出演料が発生します。
また、生配信でお金を稼ぐ人もいます。YouTuberが録画・編集した動画を公開することで収益を得ているのに対し、生配信する人は自分たちのやっていることをリアルタイムで放送し、視聴者からフィードバックを得ることで収益を得ています。
動画配信は、フリーランスの新しい働き方として注目されています。
しかし、成功する人とそうでない人の差は大きく、この世界で生きていくのは大変なことです。
フリーランスとして仕事を見つけるロードマップ
自営業になるための準備が整い、やりたい仕事が決まったら、いよいよ仕事探しです。
仕事を見つけるための最も重要な方法とは何でしょうか?
それは、自分ができそうな方法をすべて実践してみることです。それが今後の仕事の生命線になります。
クラウドソーシングサイトを利用する
インターネット経由で仕事をする場合、「クラウドソーシングサイト」を利用するのがおすすめです。これらは、フリーランサーにとって非常に有用なものです。
つまり、クラウドソーシングサイトとは「フリーランサーとクライアントをマッチングさせる」サービスサイトです。
フリーランサーは、適した仕事を探し、クライアントに提案します。マッチングが成立すると、契約書を交わし、作業を開始することができます。
契約締結~報酬の受け取るまで、基本的にクラウドソーシングサイトを通じて行うことができます。単発、継続、時間制の案件があるので、まずは登録して、どんな案件があるのか見てみましょう。
過去の顧客についての現在を確認する
すでに取引のあった人を探して、その人に仕事をお願いできないか聞いてみるのもよいでしょう。
例えば、以前の勤務先や、名簿が残っていれば連絡できそうな人。連絡する前段階として、自分の仕事が相手に必要かどうか、できるだけ考えておきましょう。
在籍していた会社と仕事を続ける場合、あなたのためにも交渉することを強要してはいけません。たとえ契約できたとしても、前の会社と関係が悪化する可能性が高いです。
また、仕事上の付き合いによらず、友人や知人に相談しても良いかもしれません。他の人よりも積極的に仕事を依頼し、頼りにしてもらえるかもしれません。
もちろん、住んでいる地域にお客さんや知り合いがいないこともありますが、ぜひやってみましょう。
社会人向けイベントへの参加
名刺を作成した方は、交流の場で使ってみてください。
社会人向けの交流会は、平日の夜や週末に多く各地で開催されています。積極的に参加し、名刺交換をしてみましょう。
交流会で終わらせず、イベント終了後や翌日にも連絡を取ってみましょう。特に、イベントで楽しい会話をしたり、ビジネスについて具体的な話をした相手とは、関係を築ける可能性が高いです。
相手から連絡が来ることもありますが、自分からコンタクトした方が確実です。提案し、次の取引につなげていきましょう。
詰まるところ
フリーランスとして仕事を始める前に、自分自身で準備しなければなりません。フリーランスになった後に何が起こるかを知っていれば、仕事がなく収入がゼロになることを避けられます。
これから独立を考えている方は、ぜひこの記事に書かれている内容を参考にしてみてください。
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